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ハウシュヴィッツ収容所からこんにちは

ハウシュヴィッツ収容所からこんにちは

「声なき声をきたえろ」

「声なき声をきたえろ」

 ひきこもりである僕は言葉を発することが少ない。発狂してアヒャヒャヒャ!と叫ぶことももちろん少ない。ほとんどないと言っていいだろう(調子の悪い時を除いては)。家族との関係も水面下で悪化していて、一日中ほとんど何もしゃべらないということもある。だからといって仕方ないから愛するペットと会話しているわけじゃない。そういう人は、めぐまれたごく少ない人達である。なぜならペットだからといってリラックスしてうまくしゃべれても、ペットはしゃべれないから会話は成り立たないのである。それなのに会話が成立するということは・・・。あなたに告ぐ。それが難しいことを承知であえて言う。できれば早めに病院にいった方がいいかもしれません!

 とにかくひきこもっていると喉を震わせ、のどちんこをかき鳴らし、舌をぶるんぶるん回転させ、口をつきだしたりするコミュニケーションの機会が断然減るので、声を発することにしだいに自信がなくなってしまう、という問題が起きてしまう。一生言葉を使わず、メールと筆談とテレパシーだけで生きていく人は何の問題もないが、これからの人生、人と直に対面して楽しい話しや、もへへな会話、苦しい話やどろろな会話もしたいと思ってる人は、ひきこもってる間にも発声練習をしてたほうがいいと思う。僕は長い間、黙読ばかりしてて、発声してなかったのでもうけっこうやばめです。ぼそぼそかみかみです。略してボソカミです。ぼそぼそっとしゅべって、なおかつ言葉につまってかみまくる事です。平常時でも言葉を発しずらくなっているのに、対人緊張が加わるともうひどいことになるわけです。

 そうならないためにも本の音読をおすすめします。黙読でも声帯は微妙に震えるとか、そういうことを書いてる本もあったけれど、断然音読にはかなわないでしょう。特にのどちんこの震わせかたとか、舌の回転のさせかたとか、口の突き出し方なんて断然音読が勝利だと思う。音読する本は、ぜひ、ひきこもりにはほど遠い恋愛小説なんかを読んで欲しい。
「あなたを愛しているの・・・。」
「僕も愛しているよ。でも僕にはどうしたいいのか・・・。」
「抱いて!」
「あ・・・。」
みたいな恥ずかしい小説を、叙情豊かに音読して欲しい。できれば真夜中に大声が望ましい。

 さてと、僕はトルストイ「人生論」でも小さい声で流暢に(もしそれができれば)音読するとしますかな。



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